SusHi Tech Tokyo 2024のセッション登壇者であり、City-Tech Tokyo 2023*1においてピッチファイナリストとなったTuring Space・CEO&FounderのJeff Hu氏にインタビューをさせていただきました。
Turing Space社は、ワンストップブロックチェーン電子証明書サービスで日本におけるビジネス展開に挑戦する台湾発スタートアップ。
同社は、SusHi Tech Tokyoに参加したことが日本におけるビジネス展開の大きなきっかけとなったとのことです。今回のインタビューでは、SusHi Tech Tokyoにおける成果に留まらず、日本におけるビジネス展開についてもお伺いしたいと思います。 *1 SusHi Tech Tokyoの前身となる東京都主催のグローバルイベント https://city-tech.tokyo/

―――お時間いただき、ありがとうございます。City-Tech Tokyo 2023においてはピッチご登壇、そしてSusHi Tech Challenge 2024においてセッションご登壇と継続してご関与いただき、それらをきっかけに日本でのビジネス展開を進められているとお伺いしました。本日はSusHi Tech Tokyoに関するご感想や反響、貴社の日本におけるビジネス展開についてお伺いしたいと思います。
―――SusHi Tech Tokyoに参加することとなったきっかけをお聞かせいただけますか。
きっかけはSusHi Tech Tokyo関係者の方にご案内いただいたことですが、弊社がSusHi Tech Tokyoへの参加に前向きな理由としては2点あります。1点目が日本開催でありながら国際色溢れる大規模なテックイベントが貴重であることです。特に弊社のような台湾発祥、かつアメリカに本社があるようなスタートアップにとっては、スタートアップに焦点を当てたグローバルイベントにおける情報交換や商談の機会はとても貴重です。
2点目は、それらのグローバルイベントの中でもイベント全体の構成がビジネス色の強い情報交換の場である点です。落ち着いた雰囲気で効率的に商談を進めたい弊社としては、高いモチベーションを持って参加させていただきました。
―――実際にブース出展を行った際のご感想や成果をお聞かせいただけますか。
ブースについては、全体を通して人通りが多く活気がありました。回遊性のある会場で常に人通りが多く、交代制で常にブースにスタッフを配置している状態でも対応しきれないほど、多くの方がブースに立ち寄っていただけました。結果として200社以上の新規リードを獲得することができました。間違いなくコネクションを大きく広げられたと思います。
その後の商談でもSusHi Tech Tokyoに参加した経験が共有話題として活用できたり、#STTでの投稿発信が一定以上の反響があったりなど、新規のリード獲得のきっかけとして大いに活用しています。
―――「SusHi Tech Tokyo 2024」においては、セッション「グローバルから日本へ:日本で雇用・事業展開・ビジネスのローカライズ化に挑むインターナショナル創業者の学び(https://youtu.be/yPKohvvaVWs)」にもご登壇いただきました。当時の感想や反響をお聞かせください。
セッションにおいては、SusHi Tech Tokyoが私達にとって日本進出の大きなきっかけとなったことを、同じく日本進出を検討しているスタートアップの方々に広めたいという気持ちで臨み、特にSusHi Tech Tokyoに参加する意義や、参加するからこそ見えてくる日本の文化などを深堀してお話しました。
結果として、セッション終わりには多くのオーディエンスに囲まれて、SusHi Tech Tokyoでの成果や日本でのビジネス展開について多く質問をいただく形となり、日本進出に対して関心を持つスタートアップの皆様と意見交換することができました。
また、ステージ登壇者との交流機会が豊富だった点も良かったです。ハイブリッドでの開催ということもあり、弊社の既存のクライアントがオンラインからセッションを視聴したというお声もいただきました。
―――SusHi Tech Tokyoが貴社にとって日本進出の大きなきっかけとなったとのことですが、日本におけるビジネス展開のメリットとして何が挙げられますか。
これはどこの国からの進出かによって変わりますが、弊社の場合は台湾からスタートした企業であるため、台湾に比べると日本の大企業はどれも規模感が桁違いに大きく、マーケットの大きさという面で大きなメリットがありました。
加えて、グローバル企業の日本支社との提携やグローバル基準でも十分なブランド力がある国内企業との提携などは、アジア圏内でのブランディングとして国際的な宣伝効果があります。そうした企業との商談機会に恵まれるという点で、やはり日本オフィスの展開は非常に効果的でした。
―――日本におけるビジネス展開において、貴社が工夫した点がありますか。
日本でもスタートアップとの連携が推進されているとはいえ、時間をかけて検討する文化が根付いている影響で、検討から実証までのサイクルがどうしても遅くなる傾向にあります。しかし、一度導入していただけると、長期的な契約となりやすい点は海外よりもメリットになり得ると考えています。
そうした課題に対して、商談時には全体のプロジェクトのタイムラインをデッドラインまで全て引き切ったものをこちらから積極的に提示して、タイムラインのすり合わせを常に行うことで、自然とグローバルのスピード感を取り入れて、検討から実証までのサイクルを早めるようにしています。
―――スタートアップとの連携について、日本企業に期待していることはありますか。
スタートアップからのカジュアルなミーティング依頼にもっと積極的に答えていただけると嬉しいです。実際、30分程度の情報交換だけでもシナジーが出せる意外な事業提携の可能性が見えることも多々あります。商談を固く捉えすぎず、マッチングやオンライン経由で興味を持ったスタートアップがいましたら、とりあえず一度は直接喋ってみようという姿勢を示してもらえるだけでも、スタートアップ目線では大変嬉しいです。
―――今後の御社の事業戦略やビジョンについて教えてください。
弊社はTuring Certsというデジタル証明書のサービスを展開しており、今後はアジアパシフィックエリアに注力して広めていく予定です。具体的には、身分証明書のデジタル化や銀行内で使えるデジタルIDなどを、アジアパシフィックの国々で安全に相互運用できるような体制を構築するために、直近でコンソーシアム(Asia Pacific Digital Identity Consortium)を設立しました。
今までアジア圏内で欧州のようなデジタルアイデンティティに対するスタンダードを統一した事例がない中で、これらをどんどん制定して越境で利用できるシーンを増やすために、現在シンガポール・韓国・フィリピン・ミャンマー・日本・台湾の6か国の企業様がコンソーシアムへ参画いただいています。今後はさらに行政機関や欧米に既にあるコンソーシアムとの連携なども積極的に進めていくことで、デジタルアイデンティティのユースケースの安全性や実施実用性を広めることを目指していきたいと考えております。
―――最後に来年の「SusHi Tech Tokyo 2025」への参加を検討している企業に、ぜひ経験者として一言いただけますか。
弊社はSusHi Tech Tokyoに参加したからこそ日本進出を果たせたスタートアップの1つであり、これらのイベントが日本でのビジネス展開を検討している皆様にとって、ビジネスの起爆剤になり得ることは自信を持って言えます。「やらない後悔より、やる後悔」とはよく言いますが、SusHi Tech Tokyoに関しては参加して後悔するようなことはないと思っていますので、積極的に参加して新たなコネクションやビジネスの起爆剤を一緒に探していきましょう!
■ プロフィール情報
会社名:Turing Space Inc.
代表者:Founder & CEO Jeff, Hu
所在国:アメリカ(本社)、台湾、ドイツ、日本
Webサイト:https://turingcerts.com/ja/home/
事業概要:Turing Spaceは、2020年に設立されたテック・スタートアップ。TrustTechを核心としたサービスで、様々な業界での認証問題の解決、ボーダーレスな信用ネットワークの創造を行っている。DX化を前進させ、2050年までにグローバルな信用伝達センターとの役割を果たすことを目指し、Web3.0と新時代を共創していく。
■ SusHi Tech Tokyo 2025
<SusHi Tech Tokyo 2025>
会期:2025年5月8日(木)~10日(土) 会場:東京ビッグサイト
SusHi Tech Tokyo 2025におけるスタートアップブース出展はこちら
https://sushitech-startup.metro.tokyo.lg.jp/booth-exhibition/
ピッチコンテスト「SusHi Tech Challenge 2025」へのお申し込みはこちら
https://sushitech-startup.metro.tokyo.lg.jp/pitch-contest/